祝島、原発、自然

  • 2011.02.21 Monday
  • 23:57
中国電力が1982年から作ろうと計画している上関原発の工事が、昨晩から急に再開された。原発建設に反対している人々の主張は、こちらが分かりやすい。

この原発がなぜ必要なのかについての電力会社の説明は、こちらで読める。さらに、電力会社の労組を激励した政治家の主張については、こちら

さて、このふじわら正司氏のHPに掲げられている標語は「まじめに働き、生活している人々の安心を守るため頑張ります」だ。

彼の経歴を見ると、労組関連に従事してきた人で、今回も、電力会社の労組の組合員の激励に来たようだ。日本の多くの政治家には心地よい言葉を連呼する人が多いように感じられるが、ここで、上の言葉を取り上げると、「まじめに働き、生活している」、そして、自分たちのためではなく将来世代のために、原発に反対している祝島の人々のことはいったいどう考えているのだろうか。

鉄道網や工場にはじまり、ネオン、自動販売機、コンビニなどをはじめ、都市の電力需要のために、貴重な自然環境を破壊していいのだろうか。

高まる電力需要に応えるため、CO2の排出がおさえられるからといって、将来世代にわたって大きな問題を残し、現在の瀬戸内においても貴重な海洋資源が残る海域を無駄にしていいのだろうか。

CO2の排出がおさえられた結果、期待される効果は未知数だが、原発は、そもそも廃棄物処理の点でも、どうしようもない欠点をもっているのに、なぜ原発の利点だけが主張されるのか。

そもそも1982年の計画は、はたして、どこまで妥当なのだろうか。

原発の構造や必要性について習熟しているわけではないが、ようやく人間だけでなく、動物や自然に対しても配慮できるようになってきた世界で、一部の人間の都合だけで、そのほかの人間や動物や自然を破壊していいのだろうか。

さんざん反対運動を退けた後で、あれは間違いだった、あの時は分からなかったという台詞はうんざりするほど聞いてきたのではなかったか。


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